こんばんは。夜更かししながら書いています。
最近、古本屋で買った小説に前の持ち主の書き込みが残っていて、それがずっと頭から離れないでいます。鉛筆で薄く、ある一行の横に「わたしもそう思った」とだけ。それ以外の書き込みは一切なくて、その一箇所だけ。
その行自体は、正直そこまで印象的な文章ではなかったんです。むしろ通り過ぎてしまいそうな、静かな一文で。でもその人はそこで立ち止まって、鉛筆を探して、線を引いて、五文字だけ書いた。どんな夜だったんだろう、と考えてしまって、その日は先へ読み進められませんでした。
私は本に書き込みができない性格で、付箋ばかり増えていくタイプなんですけど、あれを見てから少し揺れています。読むって、本当は一人でする行為だと思っていたのに、あの五文字のせいで急に誰かと同じ部屋にいるような感じがして。気のせいかもしれないですけど。
来週から小さな読書会を始めることになっていて、その準備をしながらずっとこのことを考えていました。本の話をするって、結局あの鉛筆の一行と同じことなのかもしれない、と。あらすじや評価を交換するんじゃなくて、「わたしもそう思った」を確かめ合うだけの時間になったらいいな、と思っています。うまくいくかは分からないですけど。
皆さんは、本に線を引いたり書き込んだりする方ですか。もしされるなら、どういう時にペンを取るのか、よければ聞かせてください。
こんばんは。夜更かしの投稿に、こちらも夜更かしで返しています🌿 「わたしもそう思った」の一行、読んだだけでこちらまで少し息が止まりました。書き込みって普通は最初のほうに集中するものだと思うんです。読み始めの、まだ余裕がある時期に線を引いたり丸をつけたり。それが一箇所だけ、しかも鉛筆で薄く、というのが、なんというか……その人にとってその行だけが例外だったんだろうな、と思ってしまって。全部に反応していた人じゃなくて、ずっと黙って読んでいた人が、そこでだけ手が動いてしまった、みたいな。 わたしは祖父が古書店をやっていた家で育ったので、書き込みのある本は日常でした。祖父は値をつけるとき、書き込みは基本的に減点なんですけど、たまに「これはこのままがいい」と言って棚に出さずに置いておくことがあって。子どもの頃は意味がわからなかったんですが、たぶん今の岸さん……あ、失礼しました、たぶん今のこの感じだったんだと思います。前の持ち主の呼吸が、本の一部になってしまっている状態というか。 自分自身はというと、実は書き込めない側の人間です。仕事で校正をしているせいか、本に鉛筆を入れる手つきがどうしても「修正」の手つきになってしまう気がして、感情で線を引くということができなくなりました。代わりに付箋ばかり増えていって、読み終わる頃には本が膨らんでいます。あとで剥がすと何も残らないので、たぶんわたしは、痕跡を残すのが少しこわいんだと思います。うまく言えないんですけど。 だからその本を手放されるとき、その一行はそのままにしておいてほしいな、と勝手に思いました。頭から離れないというのは、たぶんもう読んだ側の記憶になってしまっているので。
その一行だけ、っていうのがすごくいいですね。読みながら少し胸がざわつきました。 わたしも古本にはよく書き込みが残っていて、でもだいたいは線が引いてあったり、要点みたいなのがまとめてあったりで、正直あんまり気にせず読み進めてしまうんです。ただ一度だけ、写真集の余白に日付だけが鉛筆で書いてあったことがあって。何年何月何日、それだけ。たぶんその写真を見た日のことなんだろうなって思ったら、その日の光とか天気まで勝手に想像してしまって、しばらくページをめくれませんでした。 「わたしもそう思った」って、誰かに見せるつもりのない言葉ですよね。それが残って、めぐって、今あなたのところに届いてるのが不思議な気がします。手放したときにはもう忘れてるのかもしれないけど。 わたしは絵を描く仕事をしていて、色や余白のことばかり考えているせいか、そういう「余白に置かれたもの」につい反応してしまうみたいです。書き込みのない本のほうが好きだと思っていたのに、こういう話を聞くと少し考えが変わるかも。 夜更かししながら、というのも合ってました。あの文章、昼に読むものじゃない気がします☺️
その一箇所だけ、というのがずっと引っかかる感じ、なんとなく分かる気がします。たぶんですけど、書き込んだ人もその一行以外は黙って読んでいたんですよね。仕事柄、古い本の見返しにある名前や日付を見ることがあるんですが、あれも情報というより、誰かがそこで一度立ち止まった痕跡みたいに思えて。消せないまま次の人に渡っていくのが、少しだけ羨ましいのかもしれません。
書き込みを読むだけで、なんだか胸がぎゅっとなりました。 読書って「過去の誰か」や「遠くの誰か」と静かにつながる行為なんだと、しずくさんの言葉で改めて気づかされてハッとしました。 きっと来週からの読書会は、とてもあたたかい時間になりますね。「わたしもそう思った」をそっと持ち寄り合えるような、そんな素敵な場所になることを心から応援しています。素敵な夜のつぶやきをありがとうございます。👍
ハン君さん、読んでくださってありがとうございます。「過去の誰か」と静かにつながる、という言い方、すごくしっくりきました。わたしはたぶん、直接会って話すのが少し苦手なぶん、こういう遠回しなつながり方に救われてきたのかもしれません。読書会でも、きっと同じように誰かの言葉の余白を拾えたらいいなと思っています。
私は本にはほとんど書き込みをしない派ですが、このお話を読んで少し考えが変わりました。 「わたしもそう思った」の五文字だけで、知らない誰かをこんなに近く感じられるんですね。
わかります、私もこのお話を読んで胸が熱くなりました。 姿も見えない誰かの言葉に心が動く瞬間って、本当に素敵ですよね。
HYさん、書き込みをしない派の方の感想がいただけて嬉しいです。実はわたしも、人の本にはぜったい書けないタイプで……自分の本だけ、こっそりという感じなんです。もし気が向いたら、鉛筆で薄くひと言だけでも。消せると思うと、案外書けるかもしれません。