父が亡くなり、

通帳が1冊見つかった。

残高は3,840円。

生涯あんなに働いたのに、

残ったのがこれだけなのかと思った。

けれど、通帳の一番後ろから

折りたたまれた紙が一枚出てきた。

そこには日付と金額が書かれていた。

息子の授業料 42万円

娘の結婚 100万円

母の手術費 68万円

孫の誕生 10万円…

一番最後の行。

自分のために使ったお金

0円

その時初めて分かった。

父の通帳にお金がなかったわけではなかったんだ。

全部私たちのために使われていたんだと。

そしてその日初めて、

3,840円が

あまりにも大きなお金に見えた。